
環境経営とは、昨今ESG※1経営の一分野として一般的に使用されるようになった単語です。企業経営の評価基準であり、つまり「環境に疎い企業」「社会性のない企業」「ガバナンスの利かない企業」は将来性が無い、という評価となり、企業ランキングが下がります。
逆にこのエビデンスのある企業は、官公庁入札の際の評価ポイントの加算、融資枠の拡大等の優遇策などが数多く受けられます。
ESG投資という言葉があります。主に投資基準算定に運用されていますが、一例として日本の年金を運用するGPIFでも投資収益を確保するためにこの評価基準を利用して資金運用を進めています。
それでは、このエビデンスはどのように取得すれば良いのでしょうか?
環境経営システムとしては世界共通のISO14001、日本の環境省が推進するEA21※2が有力ところです。海外の仕事をするならばISO14001の取得を薦めますが、少々取得に関する費用が高くなります。
またEA21は、中小企業を中心にある程度のテンプレートと要綱が用意されており、何と言っても審査人の監査への関わり具合に相違があります。ISO14001はあくまで企業の監査、評価であり、相談に対して助言・指導ができませんがEA21はこれが可能です。
これより、次の体制構築で臨むのが良いのではないでしょうか。
大企業はISO14001を中心として、周辺企業はISO14001、EA21から企業風土に合うシステムを選択することで、サプライチェーンを組むのが一案です。運用のしやすさから考えても中小企業はEA21を使用するのを推薦したいと思います。
SBT、RE100などの個別認定もありますが、追々で解説したいと思います。
※1:ESG Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を組み合わせたもので、昔の企業の評価が売上・利益等の成績中心であったのに対してESGの評価に移行しています。
※2:EA21 「エコアクション21」の略で一般財団法人 持続性推進機構が取りまとめている。全国のブロック毎に地域事務局があります。