大阪万博の大屋根リングについて


世界最大の木造建築物としてギネス登録された大屋根リングの二酸化炭素貯蔵量についてです。

(1)建築面積 61,035.55㎡

(2)外径 約675m

(3)幅 約30m

(4)高さ 約12m(外側約20m)

(5)木材使用料 2万m3(集成材)

(6)木材の重量 8,000t(気乾材の想定で0.40g/cm3

(7)木材種類 杉、檜、オウシュウアカマツ(国産7割、外国産3割(フィンランド産過半)集成材、CLTなどで銘建工業が担当

(8)建設費用 350億円

(9)デザイン/設計 藤本壮介氏 藤本壮介建築設計事務所、東畑建築事務所、梓設計

(10)施工会社 

   (北東工区)大林組、大鉄工業、TSUCHIYA共同企業体、安井建築設計事務所

   (南東工区)清水建設、東急建設、村本建設、あすなろ共同企業体

   (西工区)竹中工務店、南海辰村建設、竹中土木共同企業体、昭和設計

(11)施工方法  日本の伝統構法「貫接合(ぬきせつごう)」を採用

(12)木材の炭素貯蔵量Cs(t-CO2)=W×D×Cf×44/12

      =20,000(m3)×0.40(t/m3)×50(%)×44/12=約1万5千(t-CO2

     Cs:建築物に利用した木材の炭素貯蔵量(t-CO2

     W:建築物に利用した木材の量(m3)(気乾状態の材積の値とする)

     D:木材の密度(t/m3)(気乾状態の材積に対する全乾状態の質量の比とする)

     Cf:木材の炭素含有率(木材の全乾状態の質量における炭素含有率とする)

課題として

 大阪万博終了後の木材のリユース量の確保が課題となりますが、解体、運搬の価格問題等が表面化して行先が不透明となっています。現在大屋根リングには約1万5千トンの二酸化炭素が滞留している?と考えられます。この木材を有効活用したいものです。

 昨今増加している山火事でも大量の二酸化炭素が放出されますが、再度植樹されますと、生育に合せてより多くの二酸化炭素が吸収されます。森林面積を増加させつつ、より良好な生育環境を維持することが温暖化防止の重要課題です。